木曾ひのきコラム 2019.06.05 家に日本一の誇りと喜びを もりぞう「木曾ひのき」大特集

1 「木曾ひのき」とは?

どこでどう育ち、どんな特徴をもつのか?

キソヒノキの森林は、青森ヒバ、秋田スギと並ぶ日本三大美林の一つです。その中でもキソヒノキは日本の木の王様と言われています。長野県木曽郡の御嶽山北斜面の峻厳な環境で生長するため、同じ太さになるのには、他産地のヒノキより約3 倍の年月がかかります。それだけ年輪が細かくなると、耐久性が高く、狂いの少ない高級材になります。ヒノキは伐採後も、200~300 年かけて強さや剛性が2~3 割程上昇し、その後ゆっくりと下降して、約2000 年で元の強度に戻ると言われる優秀な木です。さらに加工がしやすく、また、細やかな年輪がなめらかな肌触りや美しい木目を生み出し、その特有の香り高さは、いつの時代も人々を魅了しています。

どんな歴史、伝説があるのか?

キソヒノキが使われている建造物として有名なのは、伊勢神宮や姫路城などがあります。そのキソヒノキの歴史は、平安時代まで遡ることができるそうです。江戸時代に大火の復旧や築城のために、キソヒノキの親木数本を残して他の大部分が切られてしまったため、樹齢300 年以上のものは殆ど見当たりません。
* そのことに危機感を持った当時の尾張藩主徳川義直は、保護策を打ち出し伐り出しを禁止しました。『檜一本、首一つ』と呼ばれるほど厳しい規制です。その後、明治時代から大正へ、皇室財産から国有林を経て守られ続けてきたキソヒノキの森に、昭和に入りまた危機が訪れます。戦後の復興用材として伐り出され、また、伊勢湾台風で多くの樹が倒れてしまったのです。
* 自然の力とたゆまぬ現地の人々との関わりの中で、樹齢300年以上の天然木曽ヒノキが維持されている林もあります。

それでも厳しい環境の中、命を懸けて森を守った現地の人々の努力で、木曽の森の整備、植樹、間伐が繰り返され、現在の木曽のひのきの森が形成されています。よって、キソヒノキには、前述の天然材と後述の人工材が存在します。
現在木曽のひのきは、国の管理のもと、樹齢75 年以上のものを主に伐っています。間伐材といっても75 年生以上が大半を占めます。もりぞうが提供している木曾ひのきは、このような歴史を経てなお現存する森林から伐られる銘木なのです。

2 なぜ、「厳選・限定250棟」なのか?

キソヒノキの多くは国有林で育つため、木曽森林管理署(林野庁)の管理のもと、住宅や家具に使用する量が1年間の森林の生長量を超えないように計画生産されています。未来にも持続可能な森林経営(サステナブル・フォレスト・マネージメント)を目指すことにより、環境にやさしい循環型の森林資源利用として、100 年~ 200 年のサイクルで伐って植える循環型林業が構築されています。これだけ貴重な材の中から厳選された国産材に出会え、家を建てられることは、このうえない誇りと喜びです。

* 上記グラフは、一定の条件のもとで試算したものをイメージであらわしたものです。(2012年度)
* 株式会社勝野木材の推定によるものを含みます。
* ㎥は丸太換算としています。
* 家一棟あたりの使用量は、丸太換算で12㎥程度として計算しています。

人工林木曽のひのきの年間生産量は、2012度で27,841㎥(中部森林管理局木曽森林管理署の資料による)。その中でも、当社のパートナー会社である木曽の株式会社勝野木材が仕入れる量は半数を超える約15,500 ㎥です。そして、徹底した製材過程のもとでも2割程度しか生産できない厳選された限定素材、最高品質の「特選特一等」級材をもりぞうのお客様宅の柱用に安定的に供給しています。

3 住宅木材No.1「木曾ひのき」希少性の理由に迫る!

① 高い強度
木材の強さの一つを表わす指標に、たわみにくさ(剛性)を表わすヤング率( E 値 曲げ弾性係数)があります。キソヒノキは年輪が密に詰まっていて、これが高いE値につながっているのです。他の材種(例:スギ、ツガ)や他産地(例:吉野、岡山)のヒノキと比べても高い数値が出るものが比較的多いのです。香りの成分が虫を寄せ付けにくい、というのも長持ちする理由のひとつといえます。

② 最高レベルの加工精度
四角形の角が極めて直角に近い美しい角材特一等。もりぞうのパートナーの林業家株式会社勝野木材では、その4 寸角材を100 分の1 ミリの仕上げ精度を持つαカットで仕上げます。これは言いかえると、100 本の角材を重ねても1 ミリのズレしか生じないという、反りや曲がりが最小限の高い製材レベルです。

③ 強度と含水率管理
柱1本毎にグレーディングマシン*で強度を測定し印字して明確にしています。また、割れ・収縮にも関わる含水量についても、適切な乾燥方法および徹底した管理を行い、含水率を測定し印字。どちらの値も一定基準以上の材のみがもりぞうのお客様の現場用に出荷されます。最高の状態でお届けするための努力をパートナー会社でも惜しまず取り組んでいます。

* 木口を打撃することで発生する音の振動周波数からヤング率を測る装置

①②③の全てをクリアした材が、貴重な選び抜かれた材「木曾ひのき特選一等」級材です。